ベトナム人材採用の方法|優秀な現地スタッフの集め方 - VACANCE VIETNAM

ベトナム人材採用の方法|優秀な現地スタッフの集め方

海外での現地スタッフ採用は、多くの企業が進出後に最初につまずく壁のひとつです。求人を出しても応募が集まらない、採用できても早期離職してしまう、契約や給与設定でトラブルが起きる——こうした課題は、現地の労働市場や法制度への理解が浅いまま動いてしまうことで生じます。

ベトナムはASEAN屈指の若い労働力人口を抱え、外資企業への就業意欲も高い国です。ただし採用チャネルの選び方、給与水準の設定、雇用契約の法的要件は、日本とは大きく異なります。本記事では2026年時点の最新情報をもとに、ベトナムでの現地スタッフ採用を成功させるための方法を体系的に解説します。

本記事は2026年6月時点の情報をもとに執筆しています。

こんな方にオススメ

  • ベトナムへの進出を検討しており、現地スタッフの採用方法を一から学びたい方
  • すでに拠点を持ちながら、採用コストの高さや離職率の高さに課題を感じている方
  • 給与水準・労働法の最新動向を踏まえた採用設計を見直したい人事・経営担当者

この記事を読むと···

  • ベトナムの労働市場の特徴と2026年の最低賃金水準を把握できる
  • 求人サイト・エージェント・SNSなど採用チャネルの使い分けが理解できる
  • 雇用契約・労働法の注意点と、優秀な人材を定着させる実践的なポイントがわかる

ベトナムの労働市場の特徴を押さえる

ベトナムの労働市場の特徴を押さえる 1 若年層比率の高さと教育水準の向上 2 地域ごとの人材特性の違い 3 転職市場の流動性と離職傾向

採用活動を始める前に、ベトナムの労働市場がどのような構造になっているかを理解することが不可欠です。現地の実情を知らずに日本式の採用手法をそのまま持ち込むと、応募数の確保から面接・内定承諾まで、あらゆるフェーズで想定外の摩擦が生じます。

若年層比率の高さと教育水準の向上

ベトナムの人口は約1億人を超え、そのうち労働可能年齢(15〜64歳)が全体の約65〜70%を占めると言われています。中位年齢が30代前半と若く、大学・専門学校への進学率も年々上昇しています。特にハノイ工科大学やホーチミン市技術大学などの理工系人材は、IT・エンジニアリング分野での即戦力として注目されています。

一方で、英語力や専門スキルを兼ね備えたハイスペック人材の絶対数は依然として限られており、そうした人材は複数社からのオファーを受けていることが珍しくありません。採用競争は年を追うごとに激化しており、日系企業の場合は「給与水準が低い」「昇格機会が不透明」といったイメージを払拭する努力が求められます。

地域ごとの人材特性の違い

ベトナムは南北に長い国土を持ち、地域によって人材の気質や産業集積が異なります。ハノイ(北部)は国家機関・大手企業が集中し、保守的・長期就業型の傾向があると言われています。ホーチミン(南部)は外資系・スタートアップが多く、チャレンジ精神旺盛でキャリアアップ志向が強い人材が多い傾向があります。

ダナン(中部)は近年IT産業の育成を進めており、エンジニア採用のコストを抑えたい企業からの注目が高まっています。製造業向けには北部のハイフォン・バクニン省や南部のビンズオン省が重要な供給源となっています。進出先の地域特性を踏まえた上で採用戦略を設計することが、採用効率を高める第一歩です。

転職市場の流動性と離職傾向

ベトナムでは1〜2年での転職を繰り返すことへの心理的ハードルが低く、特に20代の若手層では年収アップや職位変化を目的とした短期転職が一般的です。日本の雇用慣行(終身雇用・年功序列)を前提にした組織設計では早期離職が続きやすく、入社後のエンゲージメント設計が採用と同等以上に重要な課題となります。採用計画の段階から「採った後どうするか」を組み込んでおくことが、長期的なコスト削減につながります。

主要な採用チャネルと使い分けの戦略

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主要な採用チャネルと使い分けの戦略 戦略 全体 求人サイト・ジョ… 人材エージェント… Facebook…

ベトナムでの採用活動で使えるチャネルは多岐にわたります。日本と異なるのは、SNSとリファラルが非常に強力な採用ツールとして機能する点です。チャネルごとの特性を理解し、採用職種・ターゲット層に応じた組み合わせが採用成功の鍵を握ります。

求人サイト・ジョブボードの活用

ベトナムでは複数の主要求人プラットフォームが存在します。代表的なのは「VietnamWorks(ベトナムワークス)」「TopCV」「CareerLink」などで、ホワイトカラー職の募集に広く使われています。いずれも月額掲載型または掲載件数従量型の課金モデルが中心で、英語・ベトナム語の両言語で求人票を作成できます。

求人票の記載内容は採用結果に直結します。給与レンジの明示、福利厚生の具体的な記述、外資系ならではのキャリアパスや研修制度の訴求が応募率を左右します。「給与は応相談」のような曖昧な記載は避けた方が無難で、一般的に応募数が減少する傾向にあります。

人材エージェント・ヘッドハンティング

マネージャー以上のポジションや専門職採用では、現地人材エージェントの活用が時間効率の面で優位です。現地エージェントは転職潜在層へのアクセス経路を持っており、候補者の絞り込みや初回スクリーニングを代行してくれます。報酬体系は一般的に成功報酬型(採用決定時の年収の15〜25%程度)が多く、採用ポジションの難易度によって変動します。

日系企業向けに特化したエージェントも存在し、日本語対応が可能なスタッフが窓口になるケースもあります。VACANCE VIETNAMでは、こうした現地エージェントとのネットワークを活かした採用支援もご相談いただける体制を整えています。単に紹介を受けるだけでなく、どのエージェントが自社の採用ニーズに合致するかの選定から伴走します。

Facebook・LinkedInを活用したSNS採用

ベトナムはFacebookの普及率が非常に高く、ビジネスパーソン層でもFacebook上での転職情報収集が一般的です。企業の採用ページや業界グループへの投稿、ターゲティング広告を使ったアプローチが有効で、特にホーチミン・ハノイのデジタルリテラシーが高い若年層に対しては、Facebook採用広告のCPAが求人サイト掲載よりも低くなるケースがあると言われています。

LinkedInはミドル〜シニア層やITエンジニア採用に向いており、ダイレクトスカウト機能を活用する企業も増えています。SNS採用では会社の文化・職場環境をビジュアルで伝えるコンテンツ発信が応募者の関心を引きつけるため、採用ブランディングの観点からも継続的な発信が重要です。

2026年版 給与水準と最低賃金

ベトナムでの採用設計において、給与水準の把握は最も重要な作業のひとつです。市場相場を下回る条件では優秀な人材を確保できず、逆に相場感のない過剰な待遇設定は採用後の組織バランスを崩す原因になります。

【最低賃金 2026年版(地域別月額)】

地域区分 月額最低賃金(VND) 対象エリア例
第1区域 4,960,000 VND~ ハノイ市・ホーチミン市の主要区
第2区域 4,410,000 VND~ ハノイ郊外・ビンズオン省等
第3区域 3,860,000 VND~ 地方都市・省都レベル
第4区域 3,450,000 VND~ 農村部・離島など

※ 最低賃金は毎年7月1日前後に改定される傾向があります。最新の確定値は政府通達(Nghị định)を必ず参照してください。

職種別の市場賃金レンジ(目安)

最低賃金はあくまで法定の下限値であり、実際の採用競争が起きる職種では市場賃金は大きく上回ります。以下は2026年時点の一般的な目安です(ハノイ・ホーチミン基準)。

職種カテゴリ 経験3年未満 経験5〜8年 マネージャー級
ITエンジニア 1,000〜2,000 USD 2,000〜3,500 USD 3,500〜6,000 USD
営業・マーケティング 500〜900 USD 900〜2,000 USD 2,000〜4,000 USD
経理・財務 400〜700 USD 700〜1,500 USD 1,500〜3,500 USD
製造・生産管理 350〜600 USD 600〜1,200 USD 1,200〜2,500 USD

※ 上記はあくまで参考レンジです。業種・企業規模・英語力・日本語力等によって大きく変動します。

給与以外の報酬設計:社会保険・ボーナス・手当

ベトナムでは社会保険料(社会保険・健康保険・失業保険の合計)の事業主負担分が、給与総額の約17.5%程度とされています。採用コストを試算する際はこの法定負担を忘れずに加算することが必要です。

また、テト(旧正月)前後のボーナス支給は現地の慣行として広く定着しており、最低でも1カ月分を期待している求職者が多い傾向があります。これを明示しない求人票は魅力度が下がると考えた方がよいでしょう。

労働法・雇用契約で押さえるべき注意点

労働法・雇用契約で押さえるべき注意点 1 雇用契約書の形式と必須記載事項 2 試用期間のルールと実務上の落とし 3 解雇・契約終了の手続きと退職金

ベトナムの労働法(Bộ luật Lao động)は定期的に改正されており、外資企業が知らないまま違反してしまうケースが後を絶ちません。契約書の形式から試用期間のルール、解雇手続きまで、日本の労働法とは異なる点が多く存在します。

雇用契約書の形式と必須記載事項

ベトナム労働法は、雇用契約を書面で締結することを原則として求めています。契約書にはベトナム語版を必ず含め、日本語版との二カ国語併記とする場合でもベトナム語版が法的正本となります。記載が必要な主な項目は、仕事内容・就業場所・労働時間と休憩時間・給与と支払い方法・社会保険の取り扱い・労働保護規定などです。

契約期間については、無期限契約・有期限契約(36カ月以内)・季節労働契約の3種類が設けられています。有期限契約は更新の際に無期限契約への切り替えが求められる場合があるため、更新時の対応を事前に確認しておくことが重要です。

試用期間のルールと実務上の落とし穴

試用期間は職種によって異なります。一般的に、大卒以上の専門職は60日、それ以外の職種は30日が上限とされており、試用期間を複数回設けたり、期間終了後に延長することは認められていません。試用期間中であっても、賃金は本採用時の給与の少なくとも85%以上を支払う義務があります。

実務でよく見られるトラブルとして、試用期間終了後に本採用の判断を放置してしまうケースがあります。明確な意思表示がないまま就業継続が続くと、自動的に本採用とみなされる場合があるため、試用期間終了日に書面で採用/不採用を通知する運用を徹底することが求められます。

解雇・契約終了の手続きと退職金

ベトナムでは解雇に際して正当な理由が求められ、不当解雇と判断された場合は復職命令や損害賠償が命じられることがあります。労働者保護の観点が強い法体系であるため、パフォーマンス不振を理由に解雇する場合でも、段階的な警告・改善機会の付与などの適正手続きが必要です。退職金(勤続年数に応じた「サービス手当」)の支払い義務も発生するため、採用時点から退職時のコストをコスト試算に含めておくことが重要です。

ベトナム労働法は頻繁に改正されるため、VACANCE VIETNAMでは現地の法務専門家と連携した労働契約レビューを含む進出支援を提供しています。「契約書が現地法に準拠しているか不安」という段階からご相談いただけます。

優秀な人材を定着させる組織づくりのポイント

採用コストをかけて入社させた人材が短期で離職してしまうことは、企業にとって大きな損失です。ベトナムでの人材定着には、日本企業が持ちやすいいくつかの思い込みを解いた上で、現地に適した組織設計とマネジメントを実践することが求められます。

キャリアパスの可視化と昇進機会の明示

ベトナムの若い人材が転職を決意する最大の理由のひとつは「成長の停滞感」です。入社後にどのようなスキルが身につき、どのタイミングでどんな役割に就ける可能性があるか——この見通しが不透明な企業からは、能力の高い人材ほど早く去っていく傾向があります。

有効な対策として、入社後6カ月・1年・2年のマイルストーンを設定した個別育成計画(IDP)を導入している企業では、離職率の改善につながったという報告が業界内で一般的に聞かれます。日系企業の場合、日本語研修や日本本社との交換留学制度を設けることがエンゲージメント向上に効果があると言われています。

適切な評価制度と成果給の設計

年功序列型の給与体系は、能力主義を重視するベトナムの若手層には受け入れられにくい側面があります。目標管理(MBO)や四半期ごとのパフォーマンスレビューを組み込んだ評価制度を導入し、頑張りが報酬に直結する仕組みを可視化することが定着率向上に寄与すると言われています。

ただし、個人成果に偏りすぎた評価設計はチームワークの崩壊を招くリスクもあります。チーム目標達成時のボーナスを組み合わせるなど、個人と集団のバランスをとった設計が現実的です。

職場環境・福利厚生とエンゲージメント施策

給与水準だけでなく、職場の雰囲気・上司との関係・オフィス環境が転職理由に挙げられることも多くなっています。フレックスタイム制、在宅勤務(ハイブリッド勤務)の許容、社員食堂や医療補助などの福利厚生は、採用時のアピールポイントであると同時に、在籍中のエンゲージメントを支える基盤になります。

また、日系企業特有の「飲み会強制」「休日出勤の常態化」はベトナム人スタッフには受け入れられにくく、文化的な摩擦の原因になることがあります。現地の価値観を尊重したコミュニティ形成が長期的な定着を後押しします。

まとめ|ベトナム採用を成功させるための実装チェックリスト

ベトナムでの現地スタッフ採用は、労働市場の理解から採用チャネルの選定、給与設計、法的手続き、そして入社後の定着施策まで、複数のフェーズにわたる取り組みが必要です。以下のチェックリストで自社の準備状況を確認してください。

  • 採用ターゲットの職種・スキル・英語力レベルを明確に定義している
  • 2026年最低賃金を確認し、市場相場との比較で給与レンジを設定している
  • 採用チャネルを職種別に選定している(求人サイト・エージェント・SNS)
  • 雇用契約書がベトナム語を含む書面で整備されている
  • 試用期間のルール(上限日数・給与85%ルール)を社内で徹底している
  • 入社後のキャリアパス・評価制度を候補者に説明できる状態にある
  • テトボーナスを含む報酬設計が採用コスト試算に組み込まれている
  • 外国人スタッフを派遣する場合、労働許可証の要件を確認している

これらを一度に整備するのは、初めてベトナムに進出する企業にとって容易ではありません。VACANCE VIETNAMでは、採用チャネルの選定から雇用契約のレビュー、採用後の組織設計アドバイスまで、現地ネットワークを活用した一貫支援を提供しています。「まず何から始めればよいか」という段階から、ぜひVACANCE VIETNAMの無料進出診断をご活用ください。

よくある質問

Q. ベトナムで採用活動を開始するまでにどれくらいの期間が必要ですか?
A. 現地法人や駐在員事務所の設立が完了していることが前提ですが、採用活動の準備(求人票作成・チャネル選定・エージェント契約)自体は1〜2カ月で着手できます。ミドル〜シニア層の採用は一般的に3〜6カ月の選考期間を見込む必要があります。
Q. 日本語を話せるベトナム人を採用することは可能ですか?
A. 可能です。ベトナムでは日本語学習者が多く、日本語能力試験(JLPT)N2・N3取得者を中心に、一定数の日本語人材が存在します。ただし日本語+専門スキルを兼ね備えた人材は希少であり、採用難易度・給与水準ともに高くなる傾向があります。
Q. 試用期間中に採用取り消しをすることはできますか?
A. 法律上は試用期間中の契約解除が認められていますが、合理的な理由と適正な手続き(書面による通知など)が求められます。一方的・即日での解雇は紛争リスクを高めるため、現地の労働法に詳しい専門家への確認を強くお勧めします。
Q. 外国人(日本人)スタッフをベトナムに派遣するには何が必要ですか?
A. 就労目的で入国する外国人には「労働許可証(Work Permit)」と適切な滞在許可(ビザまたは一時滞在許可証)が必要です。管理職・専門職として派遣する場合、職務経歴書・資格証明書等の書類準備から申請まで数週間〜2カ月程度を要します。
Q. 採用後すぐに離職されるリスクを下げるにはどうすればよいですか?
A. 入社前から入社後90日間の「オンボーディング設計」が重要です。メンター制度の導入、入社1カ月・3カ月時点での1on1面談、明確な最初の目標設定などが、早期離職防止に効果があると言われています。採用と同時に定着プログラムを設計することが、長期的なコスト最適化につながります。

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