ベトナム人の雇用はどうすれば良い?現地・日本双方での実態と費用を徹底解説

ベトナム人の雇用はどうすれば良い?現地・日本双方での実態と費用を徹底解説

ベトナム人の雇用|現地・日本双方での実態と費用を徹底解説

近年の外国人労働者需要拡大により、ベトナム人の雇用は日本企業の重要な人材戦略となっています。本記事では、ベトナム現地雇用と日本での雇用における実態と費用などを詳しく解説します。

目次

ベトナム人雇用の主な形態

企業がベトナム人を雇用する際には、現地進出と日本国内雇用という大きく2つのアプローチがあります。それぞれの形態には独自のメリットと注意点があり、事業戦略や労働力確保の目的に応じた選択が重要になります。

現地法人での直接雇用

ベトナム現地に法人を設立して直接雇用する方式は、製造業を中心に多くの日本企業が採用しています。外務省の調査によると、2023年時点でベトナムに進出している日系企業は2,000社以上で、東南アジア地域では第6位の進出規模となっています。

現地法人設立には約3~6ヶ月の期間と、コンサルティング会社を利用した場合で4,000~10,000ドル(約60万〜150万円)超の費用が必要です。ベトナムでは有限責任会社と株式会社の2つの形態が選択でき、多くの企業は手続きが比較的簡単な有限責任会社を選択する傾向があります。

日本国内での正社員・契約社員採用

日本でベトナム人を正社員や契約社員として雇用する場合は、就労ビザの取得が必要です。厚生労働省の最新統計では、日本で働くベトナム人労働者は57万人に達しており、国籍別で最も多い人数となっています。

雇用形態は正社員に限らず契約社員も対象となります。そのため、重要なのは雇用形態ではなく、従事する業務の内容と学歴や職歴がどの程度一致しているかという点です。在留資格は「技術・人文知識・国際業務」での雇用が一般的であり、この場合は大学などでの学習内容や実務経験が日本での業務と関連している必要があります。

技能実習生・特定技能制度を活用した雇用

技能実習生や特定技能制度を利用した雇用は、ベトナム人の雇用形態の中でも大きな割合を占めています。2024年10月末時点で、日本で働くベトナム人労働者57万人のうち、技能実習生は約22万人で、特定技能外国人も含めると制度を通じた雇用は全体の約40%に達しています。

技能実習生を受け入れる場合、1人あたり約3,400~6,200ドル(約51万~92万円)の初期費用が必要です。その後も監理団体への月額200~300ドル(約3万~4万円)の管理費が継続して発生します。

一方で、特定技能制度では監理団体を通さずに直接雇用が可能です。そのため、初期費用を抑えつつ長期的な雇用を実現できる制度として注目されています。

派遣・BPO(業務委託)による採用モデル

人材派遣会社や業務委託(BPO)事業者を通じたベトナム人の雇用も近年増えています。この方式では、企業は直接雇用に伴う手続きや管理業務を外部に任せることができます。そのため、特に専門性の高い業務やプロジェクト単位での人材活用に適しています。

実際には、IT関連業務やバックオフィス業務を中心に、ベトナム人の高い教育水準と日本語能力を活かしたサービスが広がっています。費用は直接雇用に比べて割高になる場合がありますが、採用リスクを抑えられることや管理業務を効率化できる点がメリットです。

ベトナム人を雇用するメリット

日本企業がベトナム人を雇用することで得られるメリットは多岐にわたり、人件費効率の向上から高い技術力の獲得まで、企業の競争力強化につながる要素が数多く存在します。

ここでは、公式調査データに基づいた具体的なメリットを詳しく解説します。

人件費を抑えつつ優秀な人材確保が可能

ベトナム人を雇用する最大の魅力は、費用対効果の高い人材を確保できる点です。ベトナム統計総局の2024年調査では、同国の平均月収は約210ドル(約3万円)で、前年から9.1%増加しました。一方、日本の一般労働者の平均月収は約2,300ドル(約33万円)であり、その差は約10分の1にあたります。

さらに、ベトナム人労働者は知的能力にも強みがあります。World Intelligence Quotient Dataの過去5年間の調査で、ベトナムの平均IQは世界トップ10に位置しており、特に数学力や言語能力、論理的思考力や分析力で高い評価を受けています。このため、優秀な人材を比較的低コストで確保できる環境が整っているといえます。

勤勉さ・学習意欲の高さ

ベトナム人労働者の勤勉さと学習意欲の高さは、多くの日本企業から高く評価されています。JETROがベトナム南部の大学4校を対象に行った調査では、「勤勉で責任感が強い」「困難を恐れずに粘り強く取り組む」という姿勢が特徴として示されています。

また、「学習能力が高く、新しい知識を素早く吸収し、仕事環境に迅速に適応できる」点も確認されています。特に注目すべきは自己成長とキャリア開発への意欲です。

ベトナムの若者は継続的にスキル向上を目指し、長期的なキャリア形成を望む傾向があります。実際に、2014年から2023年の間で訓練を受けた労働者の割合は18.7%から27.2%へ増加し、大学学士号以上の学歴を持つ労働者も7.8%から12.7%へ拡大しています。このように、人材の質は年々向上を続けています。

グローバル展開・海外進出に役立つ人材

ベトナム人材は、企業のグローバル展開において重要な役割を担っています。

IT分野では、2021年に同国のソフトウェアアウトソーシングサービスが世界第6位にランクインし、国際的な競争力を示しました。多くの大学では英語や日本語を組み合わせたカリキュラムが導入されており、外国語対応力の高い人材が育成されています。

製造業では、繊維、電子部品組み立て、精密機械、自動車やオートバイ製造といった分野で高い評価を得ており、複雑な工程や細かな要求に対応できる技術力を備えています。

さらに、2023年時点でベトナムに進出している日系企業は2,000社以上で、東南アジアでは第6位の規模です。そのため、ベトナム人材の活用は現地事業の強化と相乗効果を生み出す要因となっています。

ベトナム人を雇用する際の注意点

ベトナム人雇用を成功させるためには、文化的コミュニケーション課題、法制度上の制約、定着率向上のためのサポート体制構築など、複数の重要な注意点への対応が不可欠です。

文化や価値観の違いによるコミュニケーション課題

厚生労働省の外国人雇用状況調査では、44.8%の企業が「日本語能力などの理由でコミュニケーションが取りにくい」と回答しています。ベトナムの文化では間接的な表現を好む傾向があり、直接的な指示や否定的なフィードバックを受けると戸惑う場合があります。

さらに、家族を重視する価値観から、急な残業や休日出勤に対応しにくいケースもあります。宗教的な配慮や食事制限に関する理解も欠かせません。そのため、これらの文化的な違いを踏まえたうえで、適切なコミュニケーション体制を整えることが重要です。

労働法・在留資格など制度上の制約

外国人労働者を雇用する際には、在留資格による就労制限があり、資格外活動を行わせた場合は不法就労助長罪(入管法第73条の2)の対象となります。技能実習生は実習計画に定められた業務のみ従事でき、特定技能は14業種に限定されています。

労働基準法では外国人労働者も日本人と同等の労働条件が義務付けられており、最低賃金の遵守、有給休暇の付与、労働時間の管理が必要です。さらに、雇用時と離職時には厚生労働省への届出が義務付けられており、違反した場合は2,000ドル(約30万円)以下の罰金が科されます。

定着率・離職率を下げるためのサポート体制

厚生労働省の統計では、外国人労働者の離職率は45.9%に達しており、日本人労働者よりも高い水準です。そのため、定着率を高めるには体系的なサポート体制が欠かせません。

成功している企業の多くは、日本語研修やメンター制度、生活支援窓口を整備しています。具体的な取り組みとしては、入社時のオリエンテーションや定期的な面談の実施、住居確保の支援、銀行口座開設のサポート、医療機関の紹介などがあり、こうした包括的な支援が効果的です。

さらに、母国の祝日に配慮したり、同国籍の従業員同士が交流できる機会を設けたりすることも、離職防止につながっています。

ベトナム人雇用の金額|現地コストと給与相場

ベトナム人雇用にかかる人件費は基本給だけでなく、社会保険負担や各種手当など複数の要素で構成されています。実際の雇用コストを正確に把握するため、現地の給与水準から法定福利費まで詳細に確認していくことが重要です。

ベトナム国内の給与水準

ベトナム統計局の2024年版家計生活水準調査では、1人当たりの月間平均所得は約210ドル(約3万円)となり、前年より9.1%増加しました。

製造業作業員の月額基本給はJETROの調査で302ドル(約4万5,000円)と示されており、地域や業種による格差も見られます。

近年の急速な経済成長に伴い賃金水準は年々上昇しており、企業の人件費計画において重要な要素です。さらに、最低賃金は2024年7月に平均6%引き上げられており、この上昇傾向は今後も続く見込みです。

北部・南部・中部の賃金格差

ベトナムの最低賃金は地域ごとに4段階に分かれており、格差が生じています。主な数値は以下の通りです。

  • 第1地域(ハノイ・ホーチミンなど):月額340ドル(約5万2,000円)
  • 第4地域(農村部など):月額240ドル(約3万6,000円)
  • 第1地域と第4地域の差:100ドル(約1万5,000円)

また、JETROの調査では同じ製造業の作業員でも地域差が見られます。

  • 北部ハイズオン省:月額242ドル(約3万6,000円)
  • 南部ホーチミン市:月額399ドル(約6万円)
  • 差額:150ドル(約2万2,500円)以上

このように、地域による賃金格差は企業の人件費計画に大きな影響を与えています。

現地で企業負担となる社会保険・手当

ベトナムでは強制社会保険制度により、企業と従業員の双方に保険料の負担が発生します。主な内容は以下の通りです。

  • 企業負担:給与の21.5%
    • 社会保険:17.5%
    • 医療保険:3.0%
    • 失業保険:1.0%
  • 従業員負担:給与の10.5%
  • 合計負担率:32%

2025年7月施行の改正社会保険法では、外国人労働者も加入対象に含まれるため、企業の人件費負担はさらに増加します。また、保険料の算定基礎には基本給に加えて職位手当や危険手当などの給与性手当も含まれるため、実際の企業負担は名目上の21.5%を上回るケースが多くなっています。

雇用主負担率と法定福利

ベトナムの社会保険料における企業負担率や算定基準は次のように定められています。

  • 企業負担率:現行21.5%(法令上は22%まで引き上げ可能)
  • 計算限度額
    • 社会保険・医療保険:基礎賃金の20倍(4,680万ドン/約3,200ドル)
    • 失業保険:地域別最低賃金の20倍
  • 給与性手当に含まれる項目:職位手当、責任手当、言語手当など
  • 対象外となる項目:賞与、食事手当

このように、対象となる手当の範囲や計算限度額の設定が、実際の企業負担額を大きく左右します。

試用期間・ボーナス・昇給制度

ベトナム労働法に基づく試用期間や賞与、昇給の取り扱いは以下の通りです。

  • 試用期間
    • 給与水準:同種業務の85%以上
    • 期間:職種により最大180日まで設定可能
  • 13ヶ月目給与
    • 法的義務ではない
    • 実態:90%以上の企業が年間1ヶ月分の賞与として支給し、実質的な慣行となっている
  • 昇給
    • 年間5~6%が標準
    • 昇給時期・条件は労働契約で当事者が合意して決定
  • テト賞与(旧正月賞与)
    • 労働法第64条で雇用主の法的義務と規定
    • 経営状況にかかわらず支給が必要

このように、賞与や昇給は慣行と法的義務が混在しており、企業の人件費計画に大きな影響を及ぼします。

日本でベトナム人を雇用する際の実務とコスト

日本国内でベトナム人を雇用する際は、在留資格の確認から推薦者表の取得、給与設定、さらには定着支援まで多岐にわたる手続きとコストが発生します。適切な法的手続きを踏むとともに、長期的な雇用を実現するための支援体制構築が重要になります。

在留資格とビザ手続き

ベトナム人を雇用する際に利用される主要な在留資格は、以下の3種類です。

  • 技術・人文知識・国際業務
    • 要件:大学卒業以上の学歴と専門知識を活かす業務
    • 審査期間:1~3か月程度
  • 特定技能
    • 要件:技能評価試験と日本語能力試験の合格
    • 対象分野:14業種に限定
  • 技能実習
    • 要件:実習計画に基づき定められた業務に従事

また、出入国在留管理庁への申請時には在留カードによる本人確認と学歴・職歴証明書の提出が必要です。さらに、企業は外国人雇用状況届出書をハローワークに提出する義務があります。

給与設定・法定福利

外国人労働者にも日本人と同等に労働基準法や最低賃金法が適用され、国籍による給与格差は法的に禁止されています。主な制度と条件は以下の通りです。

  • 平均賃金水準(厚生労働省調査
    • 全体平均時給:1,066円
    • 専門的・技術的分野:1,882円
  • 社会保険の加入義務
    • 健康保険
    • 厚生年金保険
    • 雇用保険
    • 労災保険
    • 企業負担:約給与の15%が目安
  • 法的規制と罰則
    • 最低賃金違反:50万円以下の罰金
    • 国籍を理由とした労働条件の差別は禁止
  • 税務処理
    • 給与支払い時には所得税を源泉徴収
    • 年末調整の対象となる

このように、外国人労働者の雇用には日本人と同等の法的保護が及び、社会保険や税務の取り扱いも一律で義務付けられています。

送出し機関・推薦者表取得

ベトナム人を特定技能で雇用する場合は、ベトナム政府認定の送出機関を通じて推薦者表を取得することが義務付けられています。海外からの新規受入れではベトナム内務省海外労働管理局(DOLAB)で、国内在留者の場合は駐日ベトナム大使館で手続きを行います。

推薦者表を取得する際には、技能実習修了証明書、日本語能力証明書、雇用契約書などを提出する必要があり、承認までに1〜2か月程度を要します。

さらに、送出機関と労働者提供契約を締結する必要があり、この手続きには数千ドル(約数十万円)の費用がかかるケースが多いです。一方で、技能実習2号を修了した人材は技能評価試験が免除されるため、手続きが簡素化されます。

採用〜定着を高めるための支援制度

外国人労働者の離職率を改善するためには、包括的な定着支援制度の整備が欠かせません。具体的な支援策としては、入社時のオリエンテーションや日本語研修制度、先輩社員によるメンター制度、住居確保の支援、生活手続きのサポートが挙げられます。

メンター制度では日本人社員が相談役となり、業務だけでなく生活面での不安解消にもつながります。日本語研修は継続的に実施することが重要で、業務で必要な専門用語を習得できるよう支援する取り組みも効果的です。

さらに、地域コミュニティとの連携強化、母国の文化的行事への配慮、家族との連絡手段の確保といった取り組みも定着率向上に寄与します。加えて、厚生労働省が実施している外国人就労・定着支援研修を活用すれば、企業は自社の取り組みを補完し、より効果的な支援体制を構築できます。

規制・法制度|日本とベトナムそれぞれの枠組み

ベトナム人雇用における法的枠組みは、両国の労働法制度によって詳細に規定されています。適切な雇用を実現するためには、各国の規制要件と手続きを正確に理解する必要があります。

ベトナムの労働法と規制(外国人雇用含む)

ベトナムでは2021年に施行された労働法典に基づき、外国人労働者の雇用が規制されています。企業は採用予定日の15日前までに労働傷病兵社会問題局へ外国人労働者雇用承認を申請し、労働許可証を取得することが原則義務です。

ただし、2025年8月に施行される政令第219/2025/ND-CP号により要件が緩和され、20項目の免除対象が設けられています。対象には出資額120万ドル(約1億8,000万円)以上の有限責任会社の所有者や、ベトナム人配偶者を持つ者などが含まれます。また、外国人労働者には健康保険への加入が必須要件として定められています。

日本の外国人雇用制度・特定技能など

日本では入管法に基づく在留資格制度により、外国人雇用が管理されています。ベトナム人を雇用する際の主要な制度と要件は以下の通りです。

  • 技術・人文知識・国際業務
    • 大学卒業以上の学歴と専門知識を活かす業務が対象
  • 特定技能
    • 対象分野:14業種に限定
    • 必要条件:技能評価試験と日本語能力試験の合格
    • ベトナム人の場合:推薦者表の取得が義務
      • 海外からの受入れ:DOLABで手続き
      • 国内在留者:駐日ベトナム大使館で手続き
  • 技能実習
    • 実習計画に基づき、定められた業務に従事
  • 企業の義務
    • 外国人雇用状況の届出をハローワークに提出
    • 適正な労働条件を確保することが法的に求められている

契約書・契約期間・試用期間の注意点

労働契約期間は両国で異なる規制があります。

日本では労働基準法により有期契約は原則3年上限(専門職・60歳以上は5年)、ベトナムでは労働法典により36ヶ月未満と定められています。試用期間については日本では14日間の「試用期間」があり、ベトナムでは職種により最大60日から180日まで設定可能です。

契約書は両国の労働法に準拠した内容とする必要があり、給与支払いや解雇手続きも各国法制度に従った適正な運用が求められます。

ベトナム人採用のコスト比較|現地・日本・他国

グローバル人材活用における最適なコスト戦略を構築するには、現地採用・赴任型・外部委託の各モデルにおける詳細な費用分析が不可欠です。ベトナム人材の競争優位性を正確に評価することで、効果的な雇用戦略の立案が可能になります。

現地採用コストの内訳

ベトナムの現地採用では、基本給に加えて発生する法定負担が大きなコスト要因となります。2024年7月時点の地域別最低賃金は第1地域で310ドル(約3万1,000円)に設定されています。企業は基本給に対して社会保険17.5%、健康保険3%、失業保険1%、労災保険0.5%の合計22%を負担しなければなりません。

さらに労働組合費2%、13か月目給与、年次有給休暇手当も義務化されているため、実際の総コストは基本給の約1.4〜1.6倍に達します。製造業作業員の月額基本給の中央値は273ドル(約4万2,000円)、非製造業スタッフは733ドル(約11万3,000円)で推移しており、制度上の負担が人件費全体に大きく影響しています。

赴任型・出向型モデルとの比較

日本からベトナムへ赴任する駐在員の場合、現地給与は2,000〜3,000ドル(約30万〜45万円)に加えて複数の手当が発生します。

住宅手当は1,300ドル(約20万円)以上、家族帯同の場合は配偶者手当が330ドル(約5万円)、子女教育費は年間6,600ドル(約100万円)以上が必要です。さらに、赴任手当や一時帰国費用も企業が負担します。

そのため、単身赴任でも総コストは現地採用の3〜4倍、家族帯同では5〜7倍に達します。加えて、出向型では日本側での社会保険継続や退職金積立といった間接コストも発生します。

管理職レベルでは赴任型に優位性があるものの、一般的な業務では現地採用の方が費用対効果は高いのが実情です。

外部委託(BPO/アウトソーシング)とのコスト差

ベトナムのBPOやオフショア開発における人月単価は1,700〜3,000ドル(約25万〜45万円)が相場で、直接雇用と比較するとコスト面で優位性があります。

現地採用のITエンジニアでは、基本給と法定負担を含めた総コストが月額2,300〜3,300ドル(約35万〜50万円)となりますが、BPOを利用すれば同等レベルの人材を2,000〜2,700ドル(約30万〜40万円)で確保できます。

オフショア開発では、日本国内の人件費と比べて3分の1から2分の1程度の水準で実現でき、プロジェクト管理費用を加えても大幅なコスト削減効果があります。ただし、品質管理やコミュニケーションコスト、契約管理費用といった間接的な負担も発生するため、業務の性質や規模に応じた選択が重要です。

ベトナム人の雇用に関するよくある質問(FAQ)

ベトナム人雇用において企業が直面する実務的な疑問について、公的機関の最新データに基づき詳細に解説します。

最低賃金・法定福利はどの程度?

2024年のベトナム最低賃金は地域別に4段階で設定されています。

  • 第1地域(ハノイ・ホーチミン):約310ドル(約3万1,000円)
  • 第2地域:約270ドル(約2万7,000円)
  • 第3地域:約250ドル(約2万5,000円)
  • 第4地域:約220ドル(約2万2,000円)

法定福利費として、雇用主は社会保険17.5%、健康保険3%、失業保険1%、労災保険0.5%、労働組合費2%を負担する必要があります。

契約更新・解雇手続きはどうなる?

ベトナム労働法では有期雇用契約の更新は1回のみ可能で、2回目以降は無期契約への転換が必要です。

解雇手続きでは12ヶ月以上勤務の労働者に対し、勤続年数1年につき半月分の退職手当支給が義務付けられています。

試用期間中は日本と異なり雇用主による一方的解雇が認められており、事前通知なしで契約終了が可能です。

副業・兼業についての注意点

ベトナム労働法では、副業や兼業は労働者の権利として認められており、原則として禁止されていません。ただし、複数の労働契約を締結する場合には制約があります。

社会保険は最初に結んだ契約でのみ加入し、健康保険は最も高い給与の契約で加入する規定です。そのため、企業は労働契約書に競業避止義務や守秘義務を明記し、業務に支障をきたさない範囲で副業を認める条項を設けることが重要になります。

まとめ

ベトナム人雇用は、現地法人設立から技能実習生受け入れ、日本での正社員採用まで多様な選択肢があり、それぞれに異なるコスト構造とメリットが存在します。現地採用では月額3〜5万円程度の人件費で優秀な人材を確保できる一方、日本での雇用では在留資格手続きや定着支援に相応のコストが発生します。

成功の鍵は、自社の事業戦略に最適な雇用形態を選択し、文化的な違いを理解した上で適切な労務管理を行うことです。特にベトナムと日本では労働法制や税制が大きく異なるため、コンプライアンス遵守は不可欠となります。

これまで解説してきた各種手続きや法制度は複雑な側面も多く、実際の雇用検討時には現地の法制度に精通した専門家からのアドバイスを受けることで、リスクを最小限に抑えながら効果的な人材活用が実現できます。

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