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ベトナムの外資規制について|禁止分野・資本金まで徹底解説します

ベトナム 外資規制の完全ガイド|禁止分野・資本金まで徹底解説

ベトナムへの進出を検討されている企業様にとって、外資規制の正確な理解は不可欠です。本記事では、禁止分野や出資比率、資本金などの最新情報を詳しく解説します。

目次

ベトナムの外資規制とは何か?

ベトナム 外資規制とは何か?わかりやすく解説

ベトナムでは経済成長とともに、外国からの投資が急増しています。その一方で、特定の分野では外国企業に対して出資比率の制限や投資禁止などの規制が設けられています。ここでは、外資規制の基本的な概念や、国際的な流れ、ベトナムにおける位置づけについてご説明します。

外資規制の定義と世界的な潮流

外資規制とは、外国の法人や個人が国内企業や特定の事業分野に投資する際に適用される制限のことを指します。対象となるのは、出資比率、資本金、事業範囲など多岐にわたります。

国際的には、2000年代以降、自由貿易と市場開放の動きが進んだ一方で、安全保障や経済主権の観点から、外資規制を見直す国も増えています。とくにインフラ、防衛、通信、食料などの重要分野においては、先進国でも審査や制限の強化が続いています。そのため、外資規制は単に投資障壁という位置づけではなく、国際的な経済戦略や安全保障政策の一部としても位置づけられています。

なぜ各国で外資規制が強化されているのか?

外資規制の強化には複数の要因があります。第一に、自国の経済的な自立性や産業の保護を目的とした措置です。特定の重要産業が外国資本に過度に依存することで、経済運営に影響が及ぶ懸念があるとされています。

第二に、安全保障上のリスクが挙げられます。例えば、通信インフラやエネルギー供給などの分野では、情報漏洩やサイバーリスクの観点から、外国資本の参入に対する慎重な姿勢が見られます。第三に、社会的安定を重視する政策の一環として、特定の分野では外国企業の影響力が制限される傾向もあります。これらの背景により、多くの国が投資法や企業法を改正し、外資規制の枠組みを明確化しています。

ベトナムにおける外資規制の位置づけとは?

ベトナムでは、1986年のドイモイ政策以降、市場経済化とともに外資の受け入れが進められてきました。しかし、すべての分野で自由な投資が認められているわけではありません。2021年1月に施行された「投資法(61/2020/QH14)」およびその施行政令「政令31/2021/ND-CP」では、外資が参入できない業種、ならびに条件付きで参入が認められる業種の一覧が明示されました。これにより、ベトナムの外資規制は制度上の透明性が向上しています。

また、WTO加盟以降、出資比率に関する制限は一部緩和されているものの、金融・通信・運輸・映画などの分野では、依然として法的な制限が存在しています。外資規制は、ベトナムにおける経済政策と国益保護のバランスを取るための重要な政策手段として活用されているといえます。

ベトナムの外資規制の現状

ベトナムの外資規制の現状

ベトナムでは近年、経済成長に伴って外国からの投資が拡大しており、これに対応する形で外資に関する制度も整備されています。ここでは、外資規制がどのように形成されてきたのか、その背景や目的についてご説明します。

急成長するベトナム経済と投資の自由化

ベトナムは2000年代以降、高い経済成長率を維持しています。とくに2007年の世界貿易機関(WTO)加盟を契機として、外国企業の参入を前提とした法制度の見直しが進められてきました。

WTO加盟に伴い、建設業、小売業、サービス業など多くの分野で外資の参入が可能となり、外資規制の段階的な緩和が実施されました。また、2014年の投資法(67/2014/QH13)や2021年施行の投資法(61/2020/QH14)により、投資環境の透明性と公平性が向上しています。

外資企業への開放が進んできた理由

外資受け入れの方針は、ベトナム政府による経済構造の転換とも密接に関係しています。国内市場の発展だけでは限界がある中で、外資の導入によって技術力や資本、雇用の確保を図ることが重要視されています。

また、投資手続きの簡素化やライセンス発給の明確化、投資家保護の強化といった制度整備も進められてきました。こうした動きは、国外からの信頼を得ると同時に、持続的な経済成長の土台として位置づけられています。とくに製造業や物流業では外資の参入が活発であり、ベトナムはアジア地域における生産拠点の一つとして注目されています。

外資規制と国益・安全保障の関係

一方で、すべての分野で外資を自由化しているわけではありません。国防・治安・エネルギー・通信といった重要インフラ分野においては、依然として出資比率の制限や参入規制が残されています。これは、国家主権の維持や社会秩序の安定を図る目的によるものです。とくに外国資本によって国内の重要情報やインフラが掌握されることを防ぐ観点から、外資規制は戦略的な政策として機能しています。

こうした分野における規制は、今後の制度改正や国際条約の影響を受けつつも、引き続き重要な枠組みとして位置づけられると考えられます。

2021年施行「改正投資法」がベトナム外資規制に与えた影響とは

2021年施行「改正投資法」がベトナム外資規制に与えた影響とは

2021年1月に施行された改正投資法(投資法61/2020/QH14)は、外国投資家にとって重要な制度転換となりました。従来の投資法と比較して、外資規制における透明性が高まり、制度運用も明確化された点が注目されています。ここでは、新法による主な変更点と、その背景にある政策意図を解説します。

「投資法61/2020/QH14」の主な変更点

改正投資法では、従来の法体系で曖昧とされていた投資禁止分野および条件付き投資分野に関して、具体的なリストが付録として明記されました。これにより、外国企業にとって参入の可否を事前に判断しやすくなった点が大きな変更点といえます。

あわせて、同年3月に施行された政令31/2021/ND-CPでは、外国投資家がアクセスできない分野、および条件付きでのみ市場参入が認められる分野についても、具体的な業種分類とともに詳細が定められました。さらに、フランチャイズ業や物流業など一部業種が条件付き投資分野から除外され、投資手続きの負担が軽減されています。

ネガティブリスト制度の導入とその意義

今回の改正投資法の大きな特徴として、「ネガティブリスト制度」の明文化があります。これは、外国資本による投資が禁止または制限される業種を事前に明示した一覧表のことを指します。

従来は、各個別法や行政通達を横断的に確認しなければならず、実務上の調査負担が大きいとされていました。ネガティブリストの導入により、外国企業は自己責任の範囲で投資可否を判断できるようになり、法令の予見可能性が大きく向上しています。また、この制度の整備はWTO加盟以降求められていた投資透明性の向上にもつながっており、ベトナムの投資環境を国際水準に近づける役割を果たしています。

日本企業に求められる新たな対応とは?

新法の施行に伴い、日本企業にも法的手続きの確認や業種選定の見直しが求められるようになりました。特に、条件付き分野に該当する場合には、事前にライセンス取得や追加書類の準備が必要となるケースがあります。

また、以前は比較的容易に進出可能であった一部分野が投資禁止に転じているため、旧法に基づいた判断では対応できない事例も見られます。たとえば、債権回収事業は旧法では条件付き分野でしたが、新法では完全に禁止されています。このような変更を受け、日本企業が進出を検討する際には、ネガティブリストや政令の最新版を参照し、現地の専門家と連携しながら、確実に適法な枠組みで進出計画を立てる必要があります。

ベトナムの投資禁止・条件付き分野を徹底解説

ベトナムの投資禁止・条件付き分野を徹底解説

ベトナムでは外国からの投資を積極的に受け入れてきた一方で、国家の安全保障や社会秩序を守るため、特定分野への投資を厳しく制限しています。ここでは、外国資本が参入できない事業や、制限付きでのみ認められる業種について、法令に基づいてご説明します。

外国資本による投資が禁止されている事業(ネガティブリスト)

外国企業による投資が禁止される業種は、「投資法61/2020/QH14」の付録1〜3に明記されています。これらは「ネガティブリスト」として体系化され、具体的に対象分野が列挙されています。

とくに社会的・倫理的・環境的な影響が大きい業種や、国家の主権や治安に関わる分野は、外国資本に限らず国内投資家に対しても制限が設けられています。外国企業の場合はさらに厳格に適用される傾向があります。

投資が完全に禁止される8つの業種とは?

2021年の投資法改正により、以下の8業種が「完全に投資が禁止される分野」として指定されています。

  1. 麻薬類に関連するすべての製造・取引
  2. 特定の化学物質や鉱物資源に関する取引(付録2記載)
  3. 絶滅のおそれのある動植物やその標本の取引(ワシントン条約該当種など)
  4. 売春を目的とする事業
  5. 人体の臓器や組織、死体、胎児などの売買
  6. 無性生殖に関わる技術やサービス
  7. 爆竹の製造・販売
  8. 債権回収に関する事業(※2021年新規追加)

これらの業種は、社会秩序や倫理、国家主権に対する重大な影響が懸念されることから、国内外問わず明確に投資が禁止されています。

債権回収業が新たに禁止対象に加わった理由

債権回収業は、旧投資法(67/2014/QH13)では「条件付き投資分野」に分類されていましたが、2021年の改正で「投資禁止分野」へと移行しました。これにより、外国企業による参入が完全に認められなくなりました。

この変更は、国内で発生していた回収業者と債務者との間のトラブル増加を受けたものです。違法または過剰な回収行為が社会問題化していたことから、政府は秩序維持と市民保護の観点で規制を強化する判断を下しています。とくに外資企業による債権回収事業は、契約・執行手続きの運用面で国際的な基準との乖離が生じる可能性があるため、国内法制度との整合性を優先した措置といえます。

条件付きで投資が可能な業種の一覧

ベトナムでは、外国資本による投資が原則として認められている一方で、特定の業種については事前の審査や追加条件の遵守が求められる「条件付き投資分野」として位置づけられています。投資法61/2020/QH14の付録4において、227の分野が条件付きとして明示されており、対象分野は広範囲に及びます。

このような制度は、国家の利益や社会的な影響を考慮したうえで、段階的な市場開放を進めるための枠組みとされています。多くの場合、出資比率の上限や認可制の導入など、投資の自由度が一部制限される形となります。

金融・放送・物流・医療などの主要分野

条件付きとされている業種には、以下のような経済的・社会的に重要な分野が含まれます。

  • 金融分野:銀行業、証券業、保険業などは、ベトナム国家銀行や関連省庁の認可が必要となり、出資比率の上限も設定されています。
  • 放送・通信:ラジオ・テレビ放送、インターネット接続サービス、通信インフラ事業は、国防や情報統制の観点から制限対象とされています。
  • 物流・輸送:貨物輸送、倉庫業、港湾業務などの一部は、外資比率や合弁条件が指定されており、国内企業との連携が求められる場合があります。
  • 医療・教育:病院の運営、医療機器販売、職業教育などは、品質基準や専門人材の確保が要件として課されており、申請には詳細な計画書が必要とされます。

これらの分野では、外国企業がベトナム市場へ参入する際、国内企業とは異なる許可や登録が求められることが一般的です。

事前に必要となるライセンスや認可とは?

条件付き分野で事業を行う場合、外国投資家には投資登録証明書(IRC)の取得に加え、事業分野に応じた追加のライセンスや認可が必要となります。たとえば、銀行業に参入する場合は、国家銀行による営業許可の取得が必須です。また、物流業では、運輸省の審査を経たうえで事業登録が承認されます。保険や証券分野についても、金融庁に相当する機関の事前認可が要求されます。

さらに、複数の管轄省庁にまたがる業種では、連携した手続きが必要となることもあります。これにより、事業開始までに要する期間や手続きの複雑さは分野によって大きく異なります。そのため、対象業種が条件付き分野に該当する場合は、事前に現地法務・行政専門家の確認を受けたうえで、必要な手続きや提出書類の準備を進めることが望ましいです。

出資比率の制限と100%外資が認められる分野

出資比率の制限と100%外資が認められる分野

ベトナムでは、外国資本による出資が法律で制限されている分野と、100%外資による参入が認められている分野が明確に区分されています。事業分野ごとに出資比率の上限が異なるため、投資判断の際には各種法令や国際合意の内容を正確に把握する必要があります。

各業種における出資比率の上限まとめ

出資比率の制限は、主に国内産業の保護や国家主権の維持を目的として設けられています。多くのケースでは、外国資本の出資比率が49%または51%までに制限されるか、合弁企業の形態が求められます。

具体的な比率制限は、各分野に対応する省庁が定める行政指針やWTOコミットメントに基づいて運用されています。とくに公的サービスや戦略インフラに関連する業種では、外国資本による支配が制限される傾向があります。

通信・航空・映画など業種別の具体例

以下は、出資比率に上限が設定されている代表的な業種の例です。

  • 通信事業:インフラ設備の提供を行う通信会社については、外国資本の出資比率が49%までに制限されています。
  • 航空業:国内線・国際線を問わず、航空輸送を担う事業体では、外国資本の出資比率が34%を超えない範囲での合弁が必要とされています。
  • 映画配給・製作:文化・思想への影響が考慮されるため、外国資本は49%以下に制限され、ベトナム側の経営参加が義務付けられています。

このほかにも、出版、広告、漁業、教育などの分野で類似の制限が存在し、すべての投資案件において事前の確認が求められます。

WTO加盟によって出資比率が緩和された11分野とは?

2007年1月にベトナムが世界貿易機関(WTO)へ加盟したことにより、外資に関する規制の一部が段階的に緩和されました。これにより、以下の11分野では100%外資による事業運営が可能とされています。

  1. 小売(ただしEPR評価を要する場合あり)
  2. 卸売・流通
  3. 建設
  4. 環境サービス
  5. 病院・クリニック運営(医療人材に関する条件あり)
  6. ホテル・観光施設の運営
  7. ソフトウェア・IT関連サービス
  8. コンサルティング(経営・会計など一部分野)
  9. 銀行(ライセンス取得条件あり)
  10. 保険ブローカー業
  11. 輸送・倉庫業(海運・通関など一部条件付き)

これらの分野では、ベトナム国内の法制度に加え、WTO約束表に基づいた優遇措置が適用されることにより、外国企業の参入障壁が相対的に低くなっています。ただし、実際の手続きにおいては、該当分野であっても追加の許認可や申請手順が求められることがあるため、制度面と実務の両面から確認を行う必要があります。

ベトナムでの外資企業による土地取得・使用のルール

ベトナムでの外資企業による土地取得・使用のルール

ベトナムへ進出する外国企業にとって、土地の取り扱いは重要な検討項目のひとつです。同国では土地の所有権制度が日本と異なっており、所有ではなく「使用権」の取得が基本とされています。ここでは、外資企業が土地を利用するための条件と手続きについて解説します。

土地所有が原則禁止されている背景とは?

ベトナムでは、土地はすべて国家の所有物とされています。この原則は土地法(2013年制定)に明文化されており、民間法人や個人であっても、土地そのものを所有することは認められていません。外国企業もこの制度の対象に含まれており、土地を「使用する権利」を取得するかたちで事業活動を行うことになります。

この制度は、社会主義国家としての土地管理方針に基づくものであり、国家主導による資源管理の一環と位置づけられています。また、外資による土地の直接所有を制限することで、不動産価格の急騰や投機を防止するという政策的な意図も含まれています。

土地使用権を取得できる6つのパターン

外国企業がベトナムで土地を利用するには、法令で定められた6つの方式のいずれかに該当する必要があります。以下では、それぞれの取得方法とその条件をご紹介します。

現物出資・政府割当・賃貸契約などの要件

  1. 現物出資としての受け入れ:土地使用権を持つベトナム企業が、その権利を外資系合弁企業に対して現物出資する方法。契約内容に応じて、外資企業が実質的に土地を利用可能となります。
  2. 政府からの土地割当:特定の投資プロジェクト(住宅建設・産業団地整備など)において、政府が外資企業に土地使用権を直接割り当てる方式。実施には計画承認や各種認可が必要です。
  3. 政府からの賃貸契約:外資企業が政府と直接賃貸契約を結ぶ形式。賃貸期間や地代の支払条件は契約に明示され、事業内容に応じて更新が可能です。
  4. 土地使用権保有企業の買収:土地使用権を持つベトナム企業の株式を取得し、経営権とともに土地の使用権も間接的に取得する方式です。
  5. 出資受け入れ後の企業変更:土地を保有するベトナム企業が、出資を受けて外資系企業へと形態変更する場合、そのまま土地の使用が継続されます。
  6. 土地付き資産の取得:政府または第三者から、土地上に存在する建物や資産を購入することで、土地の使用権が付随して移転されるケースです。

これらの方法はすべて、現地の法律に則って申請・認可を得ることが前提となっており、実務上は専門家のサポートが必要になる場面もあります。

「レッドブック」に関する最新ガイドライン

「レッドブック(Giấy chứng nhận quyền sử dụng đất)」とは、土地使用権の証明書を指すベトナム独自の制度です。これは日本における登記簿謄本に相当する公的文書であり、所有者(または使用者)情報や地番、面積、使用目的などが記載されています。

外資企業が土地使用権を取得する場合でも、この「レッドブック」の発行が必要となります。ただし、対象となるのは政府からの正式な土地割当または賃貸契約に基づくものに限られており、企業買収や現物出資の場合は、登録手続きの要否や方法が個別に異なる場合があります。

近年では、土地登記の電子化や手続き簡素化が進められており、一部の都市圏ではオンライン申請が導入されています。ただし、現地の行政対応には地域差があるため、具体的な取得予定地の管轄当局にて事前確認を行うことが求められます。

法定資本金に関する規制と対象業種の一覧

ベトナムでの外資企業による土地取得・使用のルール

ベトナムにおける外国企業の設立や投資に際しては、事業内容によって最低限の資本金額が法令で定められている場合があります。これらの規制は、一定の財務的安定性を確保し、業務の継続性や利用者保護の観点から設けられています。ここでは、資本金規制が適用される主な業種と、法制度の変遷について解説します。

資本金規制が設けられている主な業種

法定資本金の要件は、特定の業種に限定して適用されています。対象となるのは、公共性の高いサービスや利用者の資産を預かる業種などであり、多くの場合、設立前に所定額を銀行口座に入金し、その証明書を提出する必要があります。

銀行・保険・航空・証券・監査など

  1. 銀行業
     商業銀行を設立する場合、最低資本金額は3兆VND(約1.8億円)以上とされており、中央銀行の承認が必要です。支店設置や外国銀行の支店開設においても、追加要件が設けられています。
  2. 保険業
     生命保険会社の場合、最低資本金は6000億VND、損害保険会社は4000億VNDと定められています。再保険会社についても、別途最低資本額が定義されています。
  3. 航空輸送業
     国内線のみを運航する場合は、機材数に応じて3000億〜7000億VNDの範囲で資本金要件が課されます。国際線運航を含む場合は、より高額の資本が求められます。
  4. 証券業
     証券取引仲介業・資産管理業・自己売買業などにより最低資本金は異なり、2000億〜1000億VNDの間で規定されています。いずれも証券委員会の事前承認が必要です。
  5. 監査法人
     外資系の監査法人は、登録時に最低限の実務経験を持つ専門家の在籍とともに、指定された資本要件を満たす必要があります。具体額は監査法および財務省通達に基づき判断されます。

これらの業種では、出資能力やリスク管理能力が重視されるため、設立要件のひとつとして資本金額の制約が設けられています。

法改正により撤廃された資本要件の事例

近年の法改正により、一部業種では資本金の下限要件が撤廃または緩和されてきました。これは、事業参入のハードルを下げて外資誘致を進める施策の一環とされています。たとえば、小売業や飲食業などのサービス業全般については、以前まで地域や業種ごとに最低資本額の目安が存在しましたが、2020年以降の制度見直しにより、一般的な商業登記の範囲で柔軟な資本金設定が可能となりました。

また、IT関連事業(ソフトウェア開発・クラウドサービス提供など)についても、一定期間の実績や資格があれば、法定資本金要件は適用されないか、非常に低額での設立が可能となっています。ただし、撤廃された分野でも、実務上は資本構成や財務安定性に関する審査が行われるケースがあり、各省庁の指導や地域ごとの対応によって異なる取り扱いがされる場合もあります。

外資企業が直面しやすい注意点

外資企業が直面しやすい注意点

ベトナムでは、制度上は外資参入の自由化が進んでいる一方で、実務面では法令の解釈や運用の差異により、外資企業が予期せぬ障壁に直面することも少なくありません。ここでは、外資企業が誤解しやすい制度上のポイントなどをご説明します。

規制緩和されても投資許可が下りない理由

法制度上では外資参入が認められていても、実際に投資登録証明書(IRC)の発行が拒否または保留されるケースがあります。これは、申請内容と地域ごとの産業政策の不一致や、管轄官庁の裁量的判断が理由となる場合が多く見られます。

たとえば、特定の省・市では独自の都市開発計画や土地利用方針が定められており、当該地域の重点分野に沿わない業種は、制度上認められていても行政上の承認が得られにくい傾向があります。また、提出書類に不備がなくとも、必要とされる補足説明や関連省庁からの追加確認が必要になることもあります。

業種によっては合弁会社の設立が必須

ベトナムでは、外資参入が許容されていても、一部の業種においてはベトナム企業との合弁が前提条件とされている場合があります。これは、法定の出資比率制限がある場合や、外国企業単独での業務遂行が困難と見なされる場合に多く見られます。

たとえば、広告事業、港湾運営、農業の一部分野などでは、ベトナム側のパートナー企業と共同で法人を設立し、出資比率を調整した形でのみ投資が認められることがあります。合弁条件が明文化されていなくても、実務上、現地当局から合弁形式を求められるケースも存在します。こうした制約は、対内産業保護や技術移転促進の観点から設定されており、出資計画時には相手企業の選定や役割分担について事前に検討しておくことが求められます。

「外資100%可」でも条件付きであるケースに要注意

WTO加盟以降、多くの分野で100%外資による法人設立が可能となっていますが、実際には条件付きでの運用が前提となるケースが多数存在しています。これは、事前のライセンス取得や専門資格保有者の配置、施設基準などを満たす必要があるためです。

たとえば、教育事業や医療機関の設立においては、100%外資での運営が認められていても、運営責任者に一定の経験や資格が求められたり、設備や施設面での基準に適合していなければ、登録が完了しない可能性があります。また、税務・法務上の処理能力や内部管理体制の整備も審査対象となるため、外資100%が可能という記述のみをもとに参入を進めると、開業準備に大幅な時間やコストを要することがあります。

まとめ

まとめ

ベトナムの外資規制は年々整備が進んでおり、参入のチャンスも広がっています。一方で、分野によっては明確な制限や条件が設けられているため、法令の確認を怠ると進出計画に支障をきたす恐れもあります。ネガティブリスト制度、条件付き分野の解釈、出資比率や資本金要件の最新情報をもとに、進出前には必ず現地専門家と連携のうえで、実務に即した準備を進めていくことが重要です。

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